「新八犬伝」の二年目だったか、犬山道節が敵を攻めあぐんでいる時、不思議な子供が現れて、「おじさん、せいのでんたんを知ってるかい」と言う。すると道節は「せいのでんたん、おう、えんのがっきがせいの七十よじょうを奪った時・・・」と説明する。そのあと子供は「木曽義仲を知ってるかい」と言う。これで道節は、火牛の計を思いつくのである。
私は小学六年生だが、「せいのでんたん」だの「えんのがっき」だの、分かるわけがない。義仲はまあ分かったが、これが「斉の田単」「燕の楽毅」であることが分かるのに二年くらいかかった。字幕すら出ないんだから、当時は厳しかったなあ。