長谷川町子の一種の自伝『サザエさんうちあけ話』は、朝ドラ「マー姉ちゃん」の原作にもなっていて、1978年に「朝日新聞」に連載された。この中に、1967年長谷川が47歳の時激しい胃痛に襲われ、手術する部分がある。これは実際は胃がんだったが、長谷川ががんを恐れていたので、家族と医者は胃潰瘍で押し通したとある。だが読んでみると、執刀した中山恒明は「悪いところはとった」と言っているし、がんセンターにも一時入院している。もしかすると町子は、『うちあけ話』を書いたころには、胃がんだったと知っていたのではないか。