http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20140205
この続き。『黄金の日日』第33話「海賊船」は、主演の市川染五郎(現松本幸四郎)の実父・八代幸四郎が、助左衛門の実父かもしれない海賊船の船長として特別出演している。もちろん止め。
これは天正13年(1585)に設定されていて、小牧・長久手の戦いで負けたのに羽柴秀吉が天下人になっていくところである。ここで助左の父甚九郎は、堺の船乗りで、25年前に行方不明になったことになっている。第一回では丹波哲郎の今井宗久が、「甚九郎の息子か。あれは立派なカピタンだった」と言っている。海賊船の船長は、25年前に海賊船の戦いに巻き込まれて、それ以前の記憶を失っている。だが助左が堺の様子を話すと、そんな記憶も蘇りかける。しかし父だと分かってしまうと、そのあと面倒になるから、ぼんやりしたままで終わる。
ところで、父が失踪した時助左は五歳だったと言っているから、助左が生まれたのは30年前、1555年ということになる。とするとこのドラマの最初で、今井宗久、五右衛門、善住坊とともに信長の陣屋へ忍んでいくのは1568年なので、助左はその時13歳(単純年齢)になってしまう。
25年、五歳というのに誤差があるとしても15歳。うーん無理があるなあ。それと、桔梗が堺に現れる時に宗久は死ぬか行方不明になっているが、実際の今井宗久は1596年まで生きている。これも無理があるなあ。さらにその計算で行くと、このドラマのラストは関ヶ原のすぐあとなので、助左衛門は45歳でしかないのだが、それにしては重鎮になっている。
五歳じゃなくて九歳くらいにしておいたほうが良かったような気もする。
それと、甚兵衛のなまりを聞けばどこの出身か分かるはずだが、考えてみたらこのドラマでは堺の人たちが全然大坂言葉でしゃべっていないのである。最後に染五郎が「お父っつぁん!」と叫ぶのだが、それでは江戸弁である。