私が、なぜタバコばかりが攻撃されて酒やクルマはいいのか、と言っているのに対して、「なぜ僕だけが」という子供の駄々である、と批判する者がいる。なお私は自分のことを「僕」とは言わないが、

子供を馬鹿にしてはいけない。

 親や教師は、差別やえこ贔屓をするものである。同じことをしていても、出来がよくてかわいい子なら甘くし、出来が悪くてかわいくない子には厳しく当たる。子供はそういう差別を見抜いて「なぜ僕だけが」と言うのである。そう言われて親や教師は、はっと胸に思い当たることがあるのだが、そ知らぬふりをしてあれこれと言い訳をし、ごまかすのである。
 それとも彼らは、大人というものはすべからく、王様は裸だ、と言わずに、ああ王様立派な服でございます、というべきであると考えているのだろうか。だとしたら、彼らに言うことは何もない。  
 なおアマゾンの『禁煙ファシズムと戦う』で「子供の論理」とかいうレビューを書いている「はまかいじ」は、松本市の折井朋弘。匿名批判は許さん。            (小谷野敦