吉田知子「鴻」を読む

1971年から75年まで、新潮社から「書下ろし新潮劇場」という戯曲のシリーズが28点刊行されていた。当時、唐十郎やつかこうへいの小劇場がブームだったせいだろうが、別役実安部公房井上ひさし秋元松代山崎正和など劇作家や戯曲も書く人のほか、辻邦生佐江衆一などこれが唯一の戯曲という人までいる。ラインナップは、