東 ところが、このあいだ宇野常寛さんに聞いたら、二〇〇八年に純文学作品で映画化され劇場公開された作品は、小谷野敦原作の『童貞放浪記』だけらしいですね。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/201001_talk02.html|立ち読み|新潮|新潮社
【特別対談】情報革命期の純文学/東 浩紀+平野啓一郎(「新潮」2010年1月号より転載)
二〇〇九年の間違いで、太宰のような物故作家は除いての話だろうが、『新潮』に私の名前が出ること自体初めてではないかと思う。
で、正直言いましてちょっとにまにましてしまったのですが、よく考えたら、純文学ってあまり映画化されないのです。まあ角田光代や桐野夏生は純文学かどうか、とかありますが、遡って調べてみたら、劇場公開された、となるとこんな感じ。
2010 パレード、悪人
2009 童貞放浪記
2008 蛇にピアス、人のセックスを笑うな、ジャージの二人(長嶋有)
2007 サイドカーに犬、water
2006 博士の愛した数式、やわらかい生活(絲山秋子)、7月24日通りのクリスマス、tanka(俵万智)
2005 ゲルマニウムの夜、トニー滝谷
2004 インストール、69(村上龍)
2003 赤目四十八瀧心中未遂、ヴァイブレータ、蕨野行、昭和歌謡大全集、わたしのグランパ
2002 阿弥陀堂だより、命
2001 赤い橋の下のぬるい水、光の雨、女学生の友、走れ!イチロー
2000 いちげんさん、オーディション
1999 家族シネマ、虹の岬、千年旅人
1998 ラブ&ポップ、秘祭(石原)
1997 私たちが好きだったこと(宮本輝)、良寛(瀬戸内)
1996 KYOKO、霧の子午線、僕は勉強ができない
1995 幻の光、深い河、静かな生活
1994 ナチュラル・ウーマン
1992 トパーズ、きらきらひかる
1991 八月の狂詩曲
1990 つぐみ、流転の海
1989 キッチン
だいたいがこんなもんですから、確かに一作だけというのは珍しいがないことではない。あと『センセイの鞄』はドラマ化だし、佐伯一麦『一輪』のVシネマ化(『F.ヘルス嬢日記』)とかあるが、内向の世代なんか総がかりでも一つもないんじゃないかと思う。(付記)古井由吉の『櫛の火』と『杳子』は70年代にあった。
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シナの大河ドラマともいうべき「大明帝国 朱元璋」全46回を観終わった。11月からツタヤで借りて観はじめてはまってしまい、ボックスの2と3は買ってしまった。いやあ素晴らしかった。史実とはやや違うのだが、日本の大河ドラマとは一味違う、腹のさぐりあい。こういうものを作るようになったらあの国も侮れない。