阪大時代同僚だった偉い学者さんが某大学の学長になっていて、構内全面禁煙で抗議をした教授とやりとりがあったそうだが、まあ学長といっても、私大なんか理事会に権限があるし、一族経営の私大で一族から学長が選ばれているのでもない限り、それこそ「雇われ学長」で碌な権限はないのだと想像する。もっとも、民主主義の世だから、というより、よほどの独裁者でない限りそうなのであって、徳川幕府だって老中合議制だし、水野越前だってすぐ罷免されてしまっている。

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本田和子『それでも子どもは減っていく』(ちくま新書)。本田さんは変なイデオロギーに振り回されない人だから、赤川君の論も無視していないでいいのだが、論者を挙げる際になぜか当時の肩書をつけていて、山田昌弘なら「東京学芸大学助教授」で、別の本では「中央大学教授」、赤川君は「信州大学助教授」である。今一つ意図が分からん。

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井上ひさし、遂に藝術院会員になったか。大岡昇平木下順二武田泰淳に対して恥ずかしくないのか。大江健三郎とか小森陽一とか、もっと井上を軽蔑すべきではないのか。

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小林よしのりは、女性皇族が次々と嫁していって、宮中に悠仁親王ひとりぼっち、になるかのようなことをイメージとして描いているが、これはどうも変で、二十年後でも現皇太子が天皇なら、皇后がおり、秋篠宮夫妻がいて、悠仁親王自身が結婚して男子が生まれるかもしれないのだ。奈良時代の終りに称徳女帝が死んだあと、63歳の光仁天皇が即位した時だって、天皇とその母、および后妃と皇子皇女しかいなかったぞ。