訳読について

 久しぶりに駒場へ行って、教養学部報を見たら、表紙の右下に、「6月号の菅原教授の文章を見て、英語教育の現場から訳読がなくなるのかとショックを受けた名誉教授から短文が届いたので載せる」(大意)とあって、訳読の重要性を説いた文章が載っていたのだが、なぜか匿名。しかし一般的には行方先生の文章だと思うのだが、なんで匿名なのだ?
 それで、その6月号を見ようと思ったら、これがない。5月号以前と、7月号以後はあるのに、それだけ、まるで「政治少年死す」でも掲載されたかのように、ない。正門脇にも生協にもない。仕方なく図書館へ行ったら、盗んでいく不心得者はいなかったらしく、あった。一面にやたらでかい活字で「訳読について 菅原克也」とあったからコピーしてきた。
 高校で英語で授業をするようになったら訳読がなくなると憂えているが、しかしなんでこの号だけ払底したのだろう。もしかして学内ではえらい話題になったのだろうか。
 だいたい高校で英語で授業をするって、どれだけできる人がいるのだ。それにもし第二言語習得の方法だと思っているなら高校では遅い。11歳以前にやらないと。どうせバカな文部科学省の官僚が考えたことだろう。まあ、私はもう大学とは関係ないから、いいけど。