『週刊朝日』の見出しはひどいなあ。「若者に気をつけろ」だって。実は私にも取材申し込みがあったのだが、通り魔無差別殺傷事件のようなものは五年、十年に一度くらい、社会的に不遇な者によって起こされているもので、当人の「彼女ができない」といった言に過剰に意味づけするのは間違いである、マスコミはこういう事件に意味づけしすぎる、と電話で言ったが、どうやら採用されなかったようだ。この手の事件に若者も中年もないのである。調子に乗るのもいい加減にしてほしいものだ。
読売新聞からも同様の取材申し入れがあったので、私はこういう意見だがそれでもよいか、と問うたら、それならほかを当たる、と言ってきた。
ハイエナのようなマスコミよ、どうしても「意味づけ」をしたいのか。内藤朝雄はこういう時こそ激しく怒るべきである。(既に意見表明はしているが)渡部伸などは相変わらずマスコミの思惑どおりのコメントをしてその商売人ぶりを明らかにしている。
まあ週刊朝日は『論座』の宮崎氏のワースト候補だな。
(小谷野敦)