2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ツイッター上で、小菅信子と珍妙なことがあったので、誤解などがないように書いておく。 小菅信子は中尾知代に批判されており、私は「仲間割れ」でもあったのか、と書いた。これは中尾著が出た2008年にも『中央公論』の書評で書いている。 同い年の二人の女…

私の小説集『東海道五十一駅』のアマゾンレビューを見ていたら、山口草至という人が長いのを書いていて面白かったので転載しておく。 白状すると、私は著者がアメーバで公開している、「ロクシィの魔私小説版」の方を先に読んでしまった。途中から現れる「〜…

中村一仁氏に教えられた「日本人にとって天皇とは何か」という、福田恆存、林健太郎、司馬遼太郎、山崎正和の座談会(『諸君』1971年1月号、『福田恆存対談・座談集 第7巻 現代人の可能性』)を見たら、確かに福田が途中で、天皇は戦争を始めるのを止めれば…

「佐伯彰一先生を偲ぶ会」が神田の学士会館であったので行ってきた。が、受付で会費を払い、何か配り物をもらってから、喫煙室へ行ったら、六年前は各階の廊下にあった喫煙所が、一階の片隅にガラス張りで小さくあるだけで、さらに配り物を見たら、平川祐弘…

フィガロと茂兵衛

「凍雲篩雪」 私は『谷崎潤一郎伝』以来、文学者などの伝記を書くのを一種のメインの仕事にしているのだが、どうも文学研究の世界では、伝記というのは研究の本筋から外れるものだという雰囲気がある。これは何なのだろうか。私と同期の加藤百合さんが修士論…

「コチコイ」の謎

アガサ・クリスティの『エッジウェア卿の死』(福島正実訳、ハヤカワ文庫)に、こんな一節がある。 「彼は恥ずかしがり屋なのよーーコチコイで、うまを合わせていくことの難しい人だけど」 「コチコイ」 なんだこれは。そこで蕗沢忠枝訳『エッジウェア卿殺人…

荒木優太氏から恵贈いただいた『これからのエリック・ホッファーのために』についてアマゾンレビューを書こうかと思ったのだがこっちに書く。 これは、物故者である16人の「在野研究者」の列伝体をとりながら、おもに大学院へは行ったけれど就職がおぼつかな…

栗本慎一郎の小説

栗本慎一郎には、小説が一冊ある。『反少女』という。 http://www.homopants.com/info/books2.html ウェブサイトでは「謎の処女小説」とあるが、栗本が小説を書いた最初は、1984年2月『野性時代』の「敵意」で、次に5月に「紐育の少女 小説・林真理子」を書…

http://1000ya.isis.ne.jp/1571.html 松岡は前から、古代の「朝臣」などの「姓(かばね)」と、源、菅原などの「氏=姓(せい)」の区別がついていないのだが、 「弘徽殿の女御が産んだ第一皇子に「姓」がないのは、この子が今上天皇になったからです。日本…

森銑三の欠点

柳田守の『森銑三』(シリーズ民間日本学者、リブロポート、1994)を読んだ。著者・柳田守は、1963年生まれ、塾講師とだけあり、ほかに著作も論文も見つからない。当時の担当編集者にも尋ねたがいまどうしているかは分からないとのことである。 同書には「蔵…

ガンバレ牧羊子

開高健が死んだあと、親友だった谷沢永一は『回想 開高健』を書くが、そこで妻の詩人・牧羊子のことを、年上の牧が開高をたぶらかして童貞を奪って妊娠し、結婚に持ち込んだと書き、がんであることは開高に隠しておくことにしていたのに言ってしまい、開高か…

田中紀峰(のりみね)という人が訳した『ヨハンナ・シュピリ初期作品集』(夏目書房新社)が届いた。 奥付を見ると、田中という人は1965年長崎生まれ、歌人、大学教授とあり、藤原定家についての著作がある。しかるに検索しても分からない。田中久三という別…

女子京大生殺害事件

阿部知二の「おぼろ夜」という小説を読んだ。これは「おぼろ夜の話」『新潮』1949年3月の改題で、1948年4月、京大史学科の学生・井元勇が、同美学科の谷口八重子を殺した事件をもとにしている。当時阿部は同志社大学の客員教授をしていて、友人で京大教授の…

その日初めて会った女とセックスすると気持ちいい。これは背徳感から来るものだと思っていたが、考えてみたら、動物行動学的に、少ないコストで交尾に持ち込めたことから来る満足感に過ぎないのだと気づいた。もちろん一般には避妊をするから錯覚でしかない…