2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

岩波書店雑誌編集長

『文学』と『思想』は68年まで共通の編集長だったらしい。 文学 1933-50 長田幹雄 1950-55 布川角左衛門 1956-63 稲沼瑞穂 1963-67 玉井乾介 1968 緑川亨 1969-83 田村義也 1984 木村秀彦 1985 佐藤邦彦 1986-2001 星野紘一郎 2002- 吉田裕思想 (顧問) 192…

南條竹則の『酒仙』の新潮文庫版解説は、あの渡辺秀樹が書いている。妻はファンタジーノベル大賞最終選考に残った人だが、かつての受賞作のこの解説を知らなかったので、図書館で借りてきた。ついでに私ももう一度読んで、渡辺秀樹がいかに文学好きで、文藝…

久米依子の意味不明

久米依子の「『赤毛のアン』をめぐる言説配置 九〇年代フェミニズム批評とバックラッシュ」(『国文目白』二〇一五)という論文を読むと、私の『聖母のいない国』(青土社、河出文庫)が批判されているらしい。らしいというのは、大塚英志と山本史郎と茂木健…

http://1000ya.isis.ne.jp/1521.html 清和源氏・宇多源氏・村上源氏なども、それらはすべからく源氏に属する者であるということになったのだ。 いまだに「すべからく」を誤用する松岡正剛。なんか、意地になってんのかなあ。 岡野友彦の本はトンデモ本だが、…

山川方夫の「軍国歌謡集」

山川方夫の「軍国歌謡集」という短編がある。男が下宿している前を、軍歌を歌いながら通る娘がいるという話だが、これは広津和郎『風雨強かるべし』の半パクリである。全集三巻の解説にはそのことは書いてない。新潮文庫『海岸公園』に入っているがこれにも…

北村薫さんに、『太宰治の辞書』をいただいた礼状を書いたらお返事が来て、私の『江藤淳と大江健三郎』で、小宮豊隆の『夏目漱石』がいいと知ったがまだ読んでいないのでこれから何とかして読みたい、とあった。 実際小宮の『夏目漱石』ほど、誤解されたまま…

『谷崎潤一郎対談集 文藝編』に、三宅周太郎との対談「文楽を語る」が入っているが、これはもちろん「藝能編」に入るべきもので、「藝能編」を出したあと入手しえたため急遽入れたものである。そのため、文芸編の分量が多くなり、編集者さんは削ったりして大…

ジョン・オーブリーの『名士小伝』(小池ケイ、橋口稔訳、冨山房百科文庫)を読んでいたら、まあこれはそんなに面白いものではないのだが、訳者は二人ともちょっと教わったことがある。 で、ホッブズのところ、「真田紐」が出てきたので驚いた。調べてみると…

どっちなんじゃい

これは、稲木昭子・沖田知子の『アリスのことば学 不思議の国のプリズム』(阪大出版会、2015)の奥付の著者紹介欄である。左手に「稲木昭子 追手門学院大学名誉教授」とあり、右手に「沖田知子 大阪大学教授」とある。ところがその下に「兵庫県出身。大阪大…

『合衆国崩壊の日』というカナダ映画(2008)の中で、男が「チノ」と言って女からたしなめられ、「キングダム」と言い直す場面があった。字幕では「中華帝国」となっており、吹き替えでは「シナ」と言ってたしなめられ「中華民国と言い直そう」とされている…

柳美里さんから『貧乏の神様』を送ってもらい、最初のほうを読んで、うーん困ったなあと思っていた。前の原稿料不払い事件の時も思ったのだが、柳さんは貯金ができない性質であるらしい。それはいいが、その性質は遺伝するもので、貯金ができる人というのは…

桶狭間論争

桶狭間の戦いについて、信長が奇襲で今川義元を討ち取り、と書いたら、鈴木眞哉さんから手紙が来て、今では奇襲ではないことになっています、とあった。それで藤本正行という人の本を読んだら、迂回路を通っての奇襲ではなく正面から攻撃したということが書…

あれはいつのことだったか、状況から推定すると高校二年の時か、今の家に越す前の、まだ小さい家に住んでいたころだ。昼間から父親がいて、郵便が配達されたのだから土曜日か。その当時、アメリカンエキスプレスあたりから、「××に当選しました」などという…