2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

思考停止しているのはどっちか

http://blog.tatsuru.com/2010/05/28_1008.php 沖縄の米軍が核ミサイルを持っているって? そりゃ持ってるでしょうよ。 しかしここまで何やら洞察めいたことを言いつつ、相変わらず米国の属国だとか言っている内田のバカぶりはとめどがない。もし属国であり…

「立ちあげる」非文の説

ずっと前から、「立ちあげる」がおかしいのは自動詞と他動詞がくっついているからだという説があって、高島俊男先生が言ったのだが、自動詞と他動詞の複合動詞などほかにいくらもあるので、私は、「立つ」の主体と「上げる」の主体が違うからだと、これも昔…

消費税二年後の謎

数年前から、文筆家も確定申告で消費税を支払うことになった。それが、二年後の支払いで、収入が一千万を超えた場合に支払うというのである。それで、なんで二年後なのかなあとぼんやり思ってはいたが、税金のことは考えたくないので放っておいた。それで私…

左遷

映画『沈まぬ太陽』を観た。あんなにされても会社を辞めないって不思議。息子が「お父さんって左遷されたんでしょう。左遷って悪いことした人がされるんでしょう」と言って母親に叱られるが、私には左遷っていうと、悪い上司に逆らったよい人がされるものと…

教えてサンショウウオ

だめだ見つからない。昔読んだマンガ。1991年から92年、カナダで。成人男性向けマンガ誌で、多分そんなにメジャーではない。題名は「メタモルフォーゼ」という。連載のようではあるがそれは読み切りで、一貫した主人公がいる様子でもなかった。 遊び人風の美…

『三四郎』の「女は」

夏目漱石が『三四郎』で「女は」という表現をやたらと使っていることは、詳しい人なら知っている。初めの「汽車の女」はともかく、美禰子も、名前が分かってからも、しばしば「女は」と書かれていて、石原千秋だったか小森陽一だったか、これを気にして、ど…

私は東浩紀に負けた

はい、東さん、三島由紀夫賞受賞だそうで、おめでとうございます。あれは面白い小説でした。 「任期付き」といっても人気があるようなので更新されるのでしょう。30代で早大教授。なに、東大でなくてもいいではありませんか。 何も一回りも年下の人相手に勝…

今朝がた変なニュースがあって、桃山学院大学(英語名セントアンドリュース大学)という、我らが高田里恵子先生がおられるところで英語の講師をする44歳男性が、ウェブ上で学生のレポート論文の代行をしていて問題になったという。 どうも専任講師ではなさそ…

20年目の小沢一郎

鈴木俊一が死んだか。99歳。えらく長く生きたものだなあ。 91年の都知事選では海部総裁だったが幹事長小澤一郎が公明党との連携の意味から鈴木を下して磯村尚徳を立てて鈴木に敗れたものだが、その時の『週刊朝日』の表紙は鈴木の写真に「見たか、小沢自民党…

小津安二郎『早春』に里見とんの手が

『表象』という、何だか今にも、ソーカルターゲッティングなことを言いだしそうな雑誌が送られてきて何ごとかと思ったら、宮本明子さんという早大院生の、小津安二郎『早春』はシナリオ段階で里見とんが手を入れていたという新事実を残された里見の書き込み…

京都府南警察署の大槻という刑事から電話があったのは、四月七日の午後のことだった。何ごとならんと思ったら、一瀬陽子という女が、私を脅迫罪で訴えたという。何でも、一年以上前の昨年1月12日に、一瀬が「2ちゃんねる」に私のことを書きこんだので私が…

「てっぺん野郎」井上ひさしの逆ギレ

週明け発売の『中央公論』6月号に筑摩書房の松田哲夫による井上ひさしの追悼文が載っているが、これを読んで井上の傲慢ぶりにまったく呆れた。 1973年、筑摩の雑誌『終末から』に『吉里吉里人』の連載が始まったが、第一回目はぎりぎり、二回目は締め切りに…

西部邁の東大嫌い

ふと気付いたのだが、西部邁が東大を辞めてからかわいがった人物は、東大出身者がきわめて少ない。というかかわいがったのはみな東大ではない。中沢新一や昔からの弟子の佐伯啓思や松原隆一郎、友人の柄谷行人は別として、宮崎哲弥、福田和也は慶応、小林よ…

「元朝日新聞記者」から考える

車谷長吉の事件で、栗原さんの本に竹信悦夫『ワンコイン悦楽堂』というのが参考文献とししてあがっていたから、図書館で見てきた。書評集で、車谷に関する記述は大したことなかったが、表紙に「元朝日新聞記者」とあるが、中を見たら2004年に水死していて、…

黒田玲子の軌跡その他

東大教授・化学の黒田玲子は、1947年生まれ、93年に猿橋賞を受賞して、当時45歳、美貌の東大教授として話題になった。私なども知的美人好きだから当時関心を持ち、NHKで夜十時ころ、杉山隆男が司会をする番組に出た時も見た。そこで黒田の研究熱心ぶりが…

護憲左翼に「意見」などというものはない 

東京裁判の時、石原莞爾が、東条英機と思想上の対立があったようだがと問われて、東条に思想などというものはないから、対立などありえないと答えたのは有名な話である。 『週刊金曜日』が天皇制特集をしていて、私の『天皇制批判の常識』を他の書籍とともに…

車谷長吉名誉毀損裁判の怪 

車谷長吉が、私小説で名誉毀損裁判を起こされ、遂に「私小説作家廃業宣言」をしたことはよく知られているが、実は名誉毀損裁判は報道されただけで二つあり、片方は和解している。しかもこの二つの件、調べれば調べるほど謎が深まるのである。 発端は、2003年…

山室静年譜の謎

『山室静自選著作集』についている荒井武美編の長大な年譜に、1962年の1月から12月まで、「朝日新聞」で文芸時評を担当、と書いてある。それで『翻訳家列伝』でもこれを踏襲しているのだが、山室がやっていないことが分かった。 この荒井という人は、新聞記…