2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

東上高志編著『校長の死と「日の丸・君が代」-「解放教育」の一掃のために』(部落問題研究所、1999)を図書館から借りてきて、びっくりした。1999年に、広島県の世羅高校で、君が代斉唱をさせようとする教育委員会と、これに反対する労組の板挟みになって、…

詮衡から選考へ

芥川・直木賞の「詮衡委員」が「選考委員」に変わったのはいつか。「直木賞のすべて」の川口さんに訊いたら、直木賞については、『オール読物』誌上での発表では、 第39回(1958年10月号)までが「銓衡」 第40回(1959年4月号)からが「選考」 ということで…

遊びへの恨み

「遊びをせんとや生まれけん」というのが去年の大河ドラマのライトモティーフだったが、しっかしみんなこの一節好きだよねえ。室町時代あたりを舞台にした小説や漫画にどのくらいの率で登場するかと思うくらい。 私は子供のころ、外遊びが好きでなく、家の中…

矢橋三子雄のこと

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0401W_U3A200C1CR8000/ この、川端が粉本とした矢橋三子雄について、片山氏(大学で私と同期らしい)は、国会図書館架蔵本をあげており、ほかは不明としているが、これは「矢橋峰雄」の筆名で、峰雄の著書のはしがき…

中沢新一の軽薄

そういえば私は一度だけ、中沢新一の講演を聴いたことがある。例の「中沢騒動」から少したって、駒場で行われたのだが、小林康夫が呼んだらしい。 まあ中沢の講演の軽薄な感じは知られているが、その時も、 「アジアなんてのはもう終わったんです。あれは『…

松本道介という独文学者

平川先生が引用していたので、松本道介(1935- )の、『極楽鳥の愁い』(鳥影社)を図書館で借りてきた。これは、著者が『季刊文科』(作品社)に連載しているものを本にしたもので、これで四冊目であり「視点4」となっている。 松本道介は、中央大学名誉教…

ミネルヴァ書房の『究(きわめる)』(しかしこれ、検索しづらいんだよね)の三月号に、連載している佐伯順子さんの「教授夫(人)」というエッセイが載っていた。なんでも、最近観た舞台らしいが、脇役として、中学生の頃から教授夫人になることを夢みてそ…

笹沢左保の自伝小説『詩人の家』に、 人間の『霊』というものの存在を信ずるかどうかと、この種の論議には興味すら感じない。それは、信ずるとか信じないとかいう以前に、そんなものはあり得ないと思っているからである。 とある。だがこの文章は間違いであ…

コロニー落としの謎

『週刊文春』の宮崎哲弥の連載が、私の新刊をとりあげてくれていた。話はロシヤに落ちた隕石のことなのだが、ちょうど私も、隕石のことは考えていた。 というのは、いきなりレベルが変わるが、ガンダムのコロニー落としで、私は以前、あんなものが落ちたら、…

著書訂正

『天皇制批判の常識』 p.180-181 「もちろん二人とも、私のこの予想には見事に応えてくれた。そして東大卒、スタンフォード大博士号の鳩山由紀夫は、国連で英語でちゃんと演説している。」この箇所削除。 - 北川智子という人の『世界基準で夢をかなえる私の…

桃木至朗という人

http://daiviet.blog55.fc2.com/blog-entry-751.html#cm 桃木至朗、出てきやがった。頭おかしいんじゃないか。 ・歴史法則主義は間違いで、歴史は偶然の連続である、ということと、しかし人に語る時は物語化したほうが分かりやすいということとはまったく矛…

ダンテか藤村か

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20120101 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20121127 以上、議論になっているのだが、十川先生には葉書を出さなければと思いつつ、公の場で議論したいなあと思っている。すると新潟大の三浦淳先生からも、こんなメール…

二葉亭四迷の叔父

二葉亭四迷こと長谷川辰之助の父は、水野家から長谷川家へ養子に来た人だ。そして辰之助は、上京して、数え17歳から18歳まで、父の実家の水野市之助のところに下宿している。四谷伝馬町一丁目四十一番と、住所まで分かっている。ところが、この市之助も養子…

黒岩知事の頭

http://www.zassi.net/detail.cgi?gouno=32061 週現『熱討スタジアム』第29回 永遠のマドンナ・竹下景子を語ろう 山田太一(脚本家)/黒岩祐治(元フジテレビキャスター)/勝野洋(俳優) 75年の『祭りの準備』で、「すでに「お嫁さんにしたい女優ナンバーワンと…

寅さんは煙草を吸わないが、それは渥美清が片肺で喫わないからである。 「口笛を吹く寅次郎」を観ていたら、寅さんが、少年時代に煙草を喫っていた話をしていた。隠語で「エンタ」と言っていた。だが今は喫っていないのだから、「大人になってやめた」口とい…

話の片思い

私が竹下景子さんのファンだった1978年春、世間でも竹下さんは人気者で、「結婚してもいいですか」なるシングルレコードを出した。歌は下手だった。舞台は鎌倉で、恋人はいるのだが煮え切らない。そこへ、母が見合い話を持ってきた、そこで彼に会いに行き、…

あれはいつのことでどこのことだったか、二十代のことではないかと思うが、知らない同年輩の人が大勢いるところであった。ふと私を認めた知らない男が、ぱっと顔を輝かせたのである。ん? と思ったが、知らない人なのでそのまま通り過ぎた。人違いだったので…

どっちでもいい。

村松友視の『「雪国」あそび』に、池部良の文章が引用されている。映画で池部が『雪国』の島村をやった時だから、豊田四郎監督が、なんで「左手の指」なのか疑問に思って、良ちゃん、女と寝る時どっち側に寝る? と訊き、池部が、左側ですかね、と答え、豊田…

荒波力の生田長江伝

(活字化予定のため削除)

なんか途中から後ろで踊っている四人が場違いなんだが…。

なんでブログを書くのを嫌がるのか

数日前からツイッターで「クロキケンジ」という人が、私の『名前とは何か…』に、毛沢東は「マオツェドン」とあるのは間違いだと言い出した。では何なのかと訊くと、アとウとオの真ん中あたりと言い、ウィキペディアにリンクしてある発声装置を示したから、表…

「犬笛」再見

西村寿行原作、中島貞夫監督の映画「犬笛」は、1978年4月、高校一年生の私が、初めて一人で映画館へ観に行った記念すべき映画である。ただそれがどこの映画館だったか今思い出せないが、有楽町あたりだろう。竹下景子のファンだったから、竹下さんが半裸で雪…

江分利満家の謎

山口瞳の息子・正介の『江分利満家の崩壊』は、買ったのだがどうにも読み進められず難儀している。はなから、母、つまり瞳夫人ががんだと診断される話なのだが、この本の主題はそれではなく、その母親の不安神経症・パニック障害なのである。 私はこの病気に…