2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

関裕二氏に答える

関裕二という人の『日本人はなぜ震災にへこたれないのか』(PHP新書)に私のことが出てくるというので、図書館で借りてきた。『日本文化論のインチキ』に触れたもので、122p以降にあった。『お江戸でござる』を観たり、田中優子の解説を聞いたりして、ああ、…

「信じる」の用法

呉智英さんがさる科学者について、「1、UFOはあると思いますか。2、あるとしたらそれに乗ってどこへ行きたいですか」というアンケートに「ない。ないものには乗れない」と回答した話を紹介しているのだが、だいたいそれを読んでから私は「UFOを信じ…

単行本と文庫本

人気作家の作品が、単行本で出て、のち文庫本になる、という言い方は、便利なので私もするが、厳密には正しくない。文庫本も単行本だからである。かといって、その「単行本」は「ハードカヴァー」とは限らない。ハードカヴァーの対義語はペーパーバックで、…

将棋に興味はない

将棋に興味がないのでうっちゃっておいたのだが、「児童文学を読む会」の先輩だった伊藤英紀さん(理学部。現役なので年齢は一緒)が何だか有名人になっているので、何か思い出はないかと思ったのだが、何しろ物静かな人なので、あまりない。 するうち、一つ…

死人に口なし

朝日新聞で中島岳志が浜崎洋介の福田恆存論を絶賛しているのを見て苦笑してしまった。福田が「俗流保守を切り」ってあるけど、福田が生きていたら真っ先にぶった切られるのは中島、お前のようなやつだ。死んでるのをいいことによく言うわなあ。むしろ中島こ…

中学生のころ流行った歌だが、当時高校野球で銚子商業が強くて、その校歌とごっちゃになったものだ。

石原氏の退任を惜しむ

石原慎太郎が芥川賞の選考委員を退任するようだ。まことに残念なことである。私は以前、石原の意向がどの程度受賞に反映しているか、調べたことがある。実際には大して反映されていないのだが、まるで石原が反対したために、そいつらの好きな作家が受賞でき…

いなくてもいいんだが

A賞での田中慎弥が話題だが、まあ候補になるたびに下関から上京していたのならそれはご苦労さまで、何も上京しなくたって家で待っていれば良かったのである。昔は全員が待機なんてことはなくて、小川洋子なんか岡山からコメントとっていた。振興会ないし文…

反証を得る

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自称気違い

あれは2009年3月27日のことである。ミクシィのコミュ「禁煙ファシズムと戦う」で、初めての会合というのを、神保町の「人魚の嘆き」でやったのである。店にいた松本彩子さんが場所について示唆してくれたからである。 夕方からで、私を含めて七人くらいが集…

「共同幻想」の誤用

http://yondance.blog25.fc2.com/blog-entry-2922.html#comment ゆうべコメントしたはずなのにない。前はコメントできない仕様になっていた。土屋ケンジくんだったね。 「共同幻想」という語を、彼は誤解しているようだ。広松渉によれば「共同主観的存在」と…

阿覧も強い

なんか可能涼介さんが福田と坪内と戦っているらしいので、ちょっと援護射撃しようっと。 以前、坪内が、相撲協会は外国人力士を排除しようとしている、って文章を書いたことがある。ただ私は、一時期みたいに横綱・大関全員外国人ってそれはまずいだろうと思…

国会図書館OPACの壊滅状態

国会図書館は年末年始にOPACの入れ替えをやった。その結果、ひどいことになった。 図書から雑誌記事まで全部検索するのがデフォルトなので、いちいち全解除しなければならない。それはまだよろしいが、スラッシュを入れての検索ができなくなったのである…

ブログと私小説

最近、私小説を論じて、今ではブログやツイッターでの自分語りがあるから、それも私小説みたいなものだろう、と論じる人が多い気がする。しかし、実は違っていて、私はこれまで、ブログなどの文章が面白いので、それをつなげて小説にしたらいい、と助言した…

立原正秋の証言

(活字化のため削除)

必要があって、森安理文・大森盛和編『新批評・近代日本文学の構造7 新構想 近代日本文学史(上)』国書刊行会、一九八二)というのを図書館で覗いたのだが、何とも珍妙な本であった。全八巻の、独自の日本文学講座の一冊らしいのだが、執筆陣が、編者のほ…

たけくらべ論争補遺

『たけくらべ』の最後が水揚げである、と主張したのは佐多稲子で、それより前に太田一夫という正体不明の人が書いていたということを『現代文学論争』(筑摩叢書)に書いたのだが、ウィキペディアを見たら、太田よりはあとだが、こちらは正体明瞭、佐多の前…

芹沢光治良の晩年

必要があって、芹沢光治良の『人間の意志』を読んでいたら、おかしなことに気づいた。はじめ、昔を回想するエッセイだと思って読んでいたら、「御親様」とか「天の将軍」とかいうのがやってきてお話をする。昭和天皇が死ぬ前に来た御親様は「平成の世」と言…

老獪な偽善者

芥川龍之介の自殺後発表された『或る阿呆の一生』に、「『新生』の主人公ほど老獪な偽善者に出会ったことはなかった」とあった。これは島崎藤村の『新生』のことだとされている。藤村は、これについて書いており、この『新生』が私の『新生』のことだとすれ…