ブログと私小説

 最近、私小説を論じて、今ではブログやツイッターでの自分語りがあるから、それも私小説みたいなものだろう、と論じる人が多い気がする。しかし、実は違っていて、私はこれまで、ブログなどの文章が面白いので、それをつなげて小説にしたらいい、と助言したことがある。ところが、ブログといえば原稿用紙五枚くらいだが、それを二十枚の小説にすることができないのである。私から見れば、これとこれとこれと、つなげればいいのではないかと思うのだが、つなげることができないらしいのだ。
 これは、三十枚くらいの論文は書けるが、一冊分となるととたんに書けなくなる学者にも、似たものがある。この場合は、30枚から200枚への飛躍なわけだが、5枚から20枚への飛躍ができない人、というのが、ブロガーには結構いるのではないかと、私は思っている。