映画「渇水」と河林満

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渇水」は、河林満(1950-2008)の純文学短編で、芥川賞候補になり、同名の単行本も1990年に出た。その年は私が最初の本を出した年なので、父親が舞い上がって、別に関係ないのにこの本を買ってきたが、私は読まず、その後売ってしまって今に至っている。河林はこれ一冊しか単行本がなかったのに、98年に勤めていた役所を辞めてしまい、58歳で急逝した。

 映画は、前橋市を舞台に、市の職員の生田斗真が、水道料金を四か月未納している家を回って水道を停止していくところから始まる。酷暑で雨の降らない夏という設定だが、カメラが移す風景からは、奇妙に暑さは伝わってこなかった。子供二人を放置しているヤンママを門脇麦が演じていたりして、割と面白かった。ところで私は子供のころ「日本人は水と平和はタダだと思っている」というのを聞いて、水はタダじゃないじゃん、水道料金払ってんじゃん、と思ったことがある。