中村真一郎「現代美女双六」レビュー

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河出書房新社、1994年刊。月刊誌「日本橋」に前半は連載され後半は書下ろしだとあるが、その雑誌の存在を確認できない。全体は12×4の48の断章から成っており、喜寿を迎える著者がこれまで邂逅しけっこうエロティックな関係にあった女性について前時代的な感じで書いている。中村真一郎が、こういうことを書く作家だったことはあまり知られていない。しかし登場する「美女」とか「美少女」は、名前が出てこないので大概は誰だか分からないので、誰か注釈版を出してほしい。私に分かったのは三宅榛名だけであった。中村の若いころの写真はいまだ発見できないが、何だかけっこうもてたようなのは女が文学に幻想を抱けた時代だったからであろうか。