「てい、」の謎

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「彼はまだ上がり框に腰かけてい、」といった「い」の使い方は、私は中学生の時に山本周五郎の小説を読んで知ったのだが、初期の大江健三郎にもそういう「い、」はあり、柄谷行人によるとそれは中野重治譲りだという。

熊野大学公式サイト|高澤秀次「追悼:大江健三郎と中上健次」

  中野重治は1902年生まれ、山本周五郎1903年生まれで、1930年代から活躍した作家なので、この「い、」はどちらが先か調べるのはかなり厄介だろうが、私は柄谷は山本周五郎は読んでないだろうと思い、中野重治は読んでいたように思うので、山本が先のような気がする。

小谷野敦