統一教会と原理研

 私は仲正昌樹と同期だから、駒場キャンパスでは夕方、帰路につくところをよく原理研に誘われた。もちろん相手はしなかったが、夕飯のあと、居間で母にその話をしていたら、寝転がってテレビを観ていた父に母がその話をしたが、話をろくに聞いていなかった父が、東大生だから誘われるみたいに勘違いして「なあ、有名税だろう」と寝ぼけたことを言って母に呆れられていた。

 大学院で同期だった女性のKYさんは、筑波大学村松剛に師事していた人で、父も元自治省の筑波大教授(ニコニコ如来)で、勝共連合の支持者で、大学時代は熱心な原理研で、両親から心配されたと言っていた。私は、父親もそういう人ではないの?と訊いたら、それでもあまり熱心になったら危険だと思われたから、と言っていた。今は筑波大教授である。私の初期の著書はどういうわけか「世界日報」に書評が出ることが多かったが、それはたいていこの一家から送られてきた。

 私のように右翼研究室出身の人間には、世間が、日本会議統一教会だと騒ぐのを見ると、何を今さら、と思うのである。