映画版『妖怪人間ベム』を観たらけっこう良かった。私はアニメのほうはリアルタイムで観ていたはずだが、あれは結末が悲しかった。ドーナツ盤のレコードも当時買ったのだが、裏がおきまりのベロの歌で、大人は、あんな子供とつきあっちゃだめ、と言うのだがベロはいいやつだ、大人は分かってない、「子供は子供同士」という嫌な歌である。
 こういう「大人はダメ、子供いい」という歌を大人が作るというのは偽善的だが、いくらなんでも、小学校へ上がるかどうかくらいでそこまで考えたかどうか、分からない。ただし高校生の時の『プリンプリン物語』で「大人って変ね、信じられないわ〜」などと歌われた時は、うわあ、大人がこういう歌を作って、と思った。

http://www.youtube.com/watch?v=ygECtG1afwY

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『新刊ニュース』11月号が届く。これには、誰それに贈りたい本というアンケートがあって、私は「片思いしている人に」というので自著『悲望』をあげたのだが、こういう時はあまり自著をあげるのはいいことではない。だが、このお題だとこれが最適だと思われたのでそうした。ほかの人があげているのを見て行って、ああ自著をあげているのが私だけだったらどうしよう、と思ったら、北村薫さんが、私が訳した『エンジェル』をあげてくれていた。さらに、山田太一が、あの『世界史入門』をあげてくれていた。そして、もう一人だけ、自著をあげていた人がいて、それは岸本葉子さんであった。