俺もしめきりに追われてみたい

 『俺も女を泣かせてみたい』(筑摩書房)はほどなく絶版になります。絶版というのは品切れになるのではなくて断裁されるわけで(泣)、欲しい方は今のうちにどうぞ。このタイトルは受けを狙ったもので、中味は普通のエッセイ集です。受けませんでした。
 石田衣良の連載「チッチとサリー」じゃない、「チッチと子」は、主人公が「チッチと子」を連載していたりしてメタフィクションです。主人公は直本賞の候補になって連絡を待っていますが落選します。ここで、電話の相手が「日本文学振興会の××です」と名乗れば受賞、「文藝春秋の〇〇です」と名乗れば落選、という秘話が明らかにされています。
 「しめきりに追われる」という状態が羨ましいです。原稿依頼がたまにあっても、一日か二日で書けてしまうし、小説の依頼などむろんないし・・・。

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恵泉女学園大学に「杉原恵子」という教授と「杉原圭以子」という准教授がいる。同じ学科である。採用の時に「紛らわしいからやめよう」とはならなかったのだろうか。まあ、それは理由にならんわな。しかし中では多分「杉原教授」「杉原准教授」で区別しているのだろうが、年齢は知らないが准教授が教授になったらどうするのだろう。
 甲南大学国文科に田中貴子さんが教授でいるが、私の後輩の田中雅史というのが、やはり教授でいる。推測するに内部では「貴子先生」「雅史先生」と呼ばれているのだろう。また学生や外から来た人など、夫婦だと早合点する人もいるかもしれない。いや青山学院の英文科にいたからねえ、夫婦で教授をしているカップル。

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「ブログ全実名制度」を唱えている人がいて、匿名を排する気概はよいのだが、筆名はどうなるのかね。「東川端三丁目」なんかその名で週刊誌に書いているし、これが筆名だ、顕名だ、と開き直られたら・・・。