デマ

 もう時効だろうが、昨年の六月頃、私が東大に内定したというデマが飛んだ。そんなことあるわけないのだが、二箇所から聞いた。その二箇所の出所は一つで、藤本由香里さんである。藤本さんは、西研の哲学研究会で聞いたという。西研が言ったわけではないらしいが、誰が言ったかは分からなかった。
 別に怒っているわけではないのだが、そういうデマがどういう経緯で現れるのか、ちょっと知りたいのである。
(情報源の一箇所から苦情が出たので藤本さんに連絡したら、西研は関係ないと言っている。しかし誰から聞いたかは教えないので、このままにしておく) 
 東浩紀がまだ職がなかった頃、一橋大で人事があったが潰れた、という噂があって、みな信じていたが、かなり後になって、当時一橋にいた友人から、それはデマだ、と聞いた。
 まあ、「そういう話が出ている」が伝言しているうちに「内定」に変わる仕組みくらいは分かるが・・・。
 (追記)
 さらに23日になって、北海道の大学に就職が決まったというデマも流れていることが分かった。いったいそんな根も葉もない話がどこから出るのだろう。私は首都圏以外へ行く気はない。

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私が裁判所へ行くのには、ひとつ、ある事件が遠因となっている。1999年、『インパクション』という雑誌に田浪亜央江という女がくだらない戯文を書いて私や吉澤夏子を揶揄したのだが、その中に、私が売春肯定派だと見られるものがあった。当時私は売春根絶論者だったから、いい加減なことを書くなと怒り、抗議文を送ったら載せたが、それに対する田浪の返答がふざけていたから、もう一度送ってこれも載った。素直に謝ればいいのに、田浪はあくまで「だから間違いは認めているではないか」などと言い、謝罪はなかった。
 その間、編集部に電話を掛けたら女が出て、何やらふざけたことを言ったので、「名誉毀損で訴えてもいいんですよ」と言ったら「・・・まあ、それだけの手間をかけるおつもりがあるなら」などと言ったのである。当時の私はそれだけの覚悟がなかった。その後、電車に乗っていて気分が悪くなったのは、裁判をするということへの怯みと、その女にそう言われた悔しさだっただろう。
 内容証明を送るとか、「場合によっては訴える」とか言う時は、私は常に、いざとなったら裁判所へ行く覚悟をしている。私は人を罵倒することもあるが、それも、いざとなったら裁判所で戦う覚悟をした上でやっている。その覚悟もないくせに、人をキチガイとか言うんじゃないよ。