2021年2月10日に日本でレビュー済み
以前この著者の「ローマ喜劇」を絶賛したことがある。こちらはより広いラテン語とラテン文化の話で、homo 斗umi が同語源だとか話は面白いのだが、最後のほうで日本語の話になるとけっこう怪しくなってしまうので一点減点した。明智玉(細川ガラシャは間違い)がラテン語が書けたというのに司馬遼太郎の作品を論拠(?)にしているが、司馬が用いた史料を調べるべきだったろう。また「愛」に当る日本語が貧弱だと言うが、著者は「色」とかを知らないみたいだし、「死ぬ」というのは漢語の流用だと言っているが「みまかる」とか「かむあがる」とかあるんじゃないか。また日本語に一人称とか二人称があるのかと言語学的に怪しいことを言っておいて途中でやめているのはいけません。