誰も助けてはくれなかった

未だに、禁煙ファシズムは行き過ぎじゃないか、というような文章がマスコミの片隅に載ることがあるが、私はそういうのを書く気はもうない。

 禁煙ファシズムとの戦いというのを15年近くやって、結局、誰も助けてはくれなかった。助けてくれたのは妻だけである。JTが背後にいるような組織から講演を頼まれたり、原稿書きの仕事もあったりはしたが、東大を雇い止めになる時に助けてくれた人は一人もいなかった。そこにはまあ、誰かが助けてくれるんじゃないかという私の側の甘い見通しもあった。