火野葦平が、敗戦前後、福岡で西部報道部におり、敗戦後は九州書房を興した前後のことを描いた一種の私小説『革命前後』を読んだ。この発表後、火野は自殺し、同書は藝術院賞を受賞したが、今はほとんど読まれない。火野は伯父叔父に何人か自殺者がおり、自殺は遺伝的なものだったと思われる。さて『革命前後』は、実在の人物がかなり変名で出てくるので、モデル一覧を作ってみた。
辻昌介ー火野葦平(玉井勝則)
妻・美絵‐良子
娘・君子‐美絵子
子・芳太郎‐玉井史太郎
子・伸吉-伸太郎
(ほか四人の子の存在を抹消)
父・安太郎‐玉井金五郎
母・松江‐谷口マン
父の愛人・大塚峯代
弟・英二郎‐玉井政雄
末弟・広士-玉井千博
松坂幸夫‐原田種夫
高井多門‐高田保
伏見卓二‐古海卓二
虎谷義久‐熊谷久虎
笠健吉‐劉寒吉
今下仙介‐岩下俊作
細谷俊‐長谷健
山中精三郎‐中山省三郎
西仁‐東潤
志波春哲‐伊波南哲
佐野良‐矢野朗
菊宗正‐宇野逸夫
雲木風太郎(坂島友親)‐風木雲太郎
安岡金蔵(憲法学者)−鈴木安蔵
谷木順(画家)‐斎田順
川田英二(画家)−山田栄二
山原松実(演劇)‐河原茂己
月原準一郎(画家)辻旗治?
江川清一(演劇)
石森始(演劇)
沼井明
赤根一郎‐青雨之介
畑野夏雄(写真家)
大野木逸太(漫画)-宇治山哲平?
河島十四雄‐豊島與志雄
安田絹子(ヒラメ)
鶴野信子
小島洋子(筆生)
井手隆吉(大佐)
神田武雄(画家)‐寺田竹雄
安部透(兵長)‐陶山哲
矢口新市(一等兵)
南島七郎(改造)‐西田義郎
神山弘(九大の考古学者)
土之江八郎(新聞記者)
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http://d.hatena.ne.jp/nakaii/20130610/1370842377
ここに出てくる川嶋至の「川端康成の『紫式部日記』」に、平野謙の「作家の心理」(1970年)というのが言及されているのだが、これがどこにあるのか分からない。
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川端伝で勅使河原霞を「現在の家元」と書いたのは間違いで、これは茜と混同したからだが、これは花柳幻舟を「華道家」と書いたのと同根の間違い。つまり私は家元制というのが嫌いなので、家元制のあるものにぶつかると、磁石が電磁波で狂うみたいに狂ってしまうのである。花柳幻舟にしても、家元制を批判しながらなぜ花柳を名のるのか、と思わないでもない。