その昔、初期の「朝まで生テレビ」で、戦争をめぐる回があって、野坂昭如とちょっと言い合いになった、あれは誰だったかな、自民党の議員だったか、「日本だってね、空襲を受けて大変だったんですよ」と言い、よそから「それは野坂さんが」という声があり、野坂自身は「それは僕の『火垂るの墓』って小説を読んでくれれば」と普通に答えていたが、まぬけでした。

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文学の「学会」というのがある。理事長とか会長とか、理事とか監事とか評議員とかいうものがある。そして、そういうものになりたがる学者というのがいる。これは、たいていは学者としてはダメな人である。大学の学部長とか学長とかになりたがるのもそういうのが多いが、まあ東大総長とかならいざ知らず、片々たる弱小大学で役職など求めるのは、一般人から見たら実に阿呆らしいことだ。学会とくると、別に給料が出るわけでもないのだから、一般の人からすると、「へ、資本金はいくらですか」ってなもんだ。
 理事だ評議員だと騒ぐ連中は、ほとんど戯作でちゃかされる対象である。

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 私はよく古書を取り寄せるが、時おり、手書きの領収書に「小谷さま」などと書いてあって、苦笑する。
 ところが世間には変な人がいて、「お前のことをおだにさんとか言っていた人がいるぞ、お前はそんなに有名じゃないんだぞ」と言ってくる奴がいる。はあ、私、いつあなたに、自分は有名なんだぞなどと言いましたか、ハア¿ ってなもんで、それはその人物が勝手に、こいつは有名だ、と思っていて、それを私が言ったかのように妄想してそういうことを言うのである。卑しいことである。