本の作り方

 なんで間違いのない本を作れないかということである。
 一般的な商業出版物だと、時間をかけることができないのである。仮に私がしめきりないし刊行予定の半年前に原稿を渡しても、すぐに校正刷りにはしてくれない。してくれるのは刊行の二か月前くらいで、それから校閲にかけるのである。
 学術書の場合は原稿段階から入念にチェックしたりするのだろうが、こちらはそうはいかない。もし間違いのない本を作りたいと思ったら著者が自分で校閲者を雇うしかないが、自転車操業の文筆家にそんなことはできない。

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齋藤孝が『ざっくり! 世界史』で、自分が東大へ入った時には左翼的な雰囲気が強くて、天皇制を批判しなきゃいけないようだったと書いている。齋藤は私の二つ上だが、私の時にはそんなことはなかったなあ。もしかしたら教育学部がそうだったんじゃないか。あそこは当時共産党の巣窟だったし。