版元から送ってきてくれた『睦月影郎読本』に、別名ならやたかしの「ケンペーくん」が復活している。睦月氏は『もてない男』が出たころに便りをくれた人で、私はそのオナニー日記を天下の奇書として珍重している。
 その「ケンペーくん」の最後の長めのものは、禁煙ファシストらをばったばったと切り倒すもので、よろしいが、ややファシストめらに遠慮している感が否めなかった。ポイ捨てする者を切り捨てたりしているが、それは描かなくていいのだ。禁煙ファシストのほうが、ポイ捨てする奴より悪いというのが現状なのだから。それと、喫煙者が少数派だとケンペーくんが言うのは間違いで、実際は嫌煙家などというのは三割くらいしかいないのである。要するにボリシェヴィズムで、多数派でもないのにマスコミをのっとっているのが現状なのである。

全身官能小説家 睦月影郎読本 (ローレンスムック)

全身官能小説家 睦月影郎読本 (ローレンスムック)

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樋口毅宏氏の、自著を図書館に置かないでくれというあとがきがニュースになっているが、私は、あまり気にしていない。というのは、図書館で読んでも、持っていたいというので買う人もいるだろうし、図書館になかったら、全然読まない、という人もいるだろうからで、図書館になかったら買うという人の数が、それほど多いとは思っておらず、
図書館で読んで買う人=A
図書館で借りても買わない人=B 
図書館になければ買う人=C
図書館になければ読まない人=D
図書館と関係なしに買う人=E
とすると、図書館に置いてあると、買うのはA+E、図書館にないと、買うのはC+Eだが、A>Cのような気がするからで、かつB<Dだから、読まれるほうを良しとするのである。