誰に会ったのだ久米正雄

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自由党総裁になったのに首相になれなかったのが緒方竹虎。あの時は鳩山一郎民主党が政権をとっていた。その後合併して自由民主党、鳩山が総裁となった。む〜ん。

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石坂洋次郎が、うら夫人が死んだあと、「灰色の夫婦生活」と書いているのを知った(『風のような記録』新潮社、1973の「残り少ないページ」)。『恋愛の昭和史』を書いた時見落としたものだ。

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田中優子が「毎日新聞」で死刑論議森達也藤井誠二の対論本を書評して、激しく森側に立っているのを見て、ああこの人はとうとう本当のバカ左翼になってしまった、と思ったが、それなら「十両盗めば首が飛ぶ」徳川時代礼賛なんかしてきた過去を清算しなければいかんのではないか。あ、歴史相対主義だからいいのか。でもそれじゃあ、徳川時代のどこがいいの?

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というわけで私が『シルバー仮面』を観たのは数年後の再放送の時だったが、最終回には度肝を抜かれた。30年かけて地球との友好のためにやってきたアンドロメダ星人たち(その妻ドリー役は市川森一夫人の柴田美保子だが、後年よりふっくらしていて美しい)が、幼子を残して死に絶えてしまい、春日兄弟はベム5号で30年かけてアンドロメダへ行くことにするのだが、それでは帰ってくることができないというので、津山博士(岸田森)の娘ミカ(北村佳子・かわいい)と、兄弟の叔父大原の息子紀久男(斎藤信也)を連れていくのである。ちゃんとセリフの中に、帰りはこの二人と、その子供たちが乗り込むのだ、という。小学校六年くらいだった私はこの十歳くらいの少年少女が、新しいアダムとイヴになるのだと知ってえらく興奮したものである。
 さてあれは2001年にはアンドロメダへ着いたことになるが、まだ帰りついてはいないことになる。しかし、シルバー仮面がいなくなった地球では、宇宙人が襲来したらどうするのだ…。
 (小谷野敦)