それは違う

 『週刊朝日』の書評欄で亀和田武が、佐藤優言論弾圧に触れている。そこで、佐藤が櫻井よしこと私に反論しない件で、私に対して言論弾圧をしたら、10倍返しの罵倒が来るだろうと書いているが、それは違う。佐藤は国家公務員であり、一般国民たる私にそんなことをしたら、国家による営業妨害であり明確な不法行為であるから、外務省に苦情を言い、無視されたら外務省を訴える。まあ佐藤を国家公務員法違反で訴えてもいいわけだが、これは外務省を送達先にしておけば、いくら休職中でも勤務先だから、送達の効力がある。

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まだ読了していないが、村岡恵理の村岡花子伝『アンのゆりかご』を読んでいたら、明治26年甲斐(現・山梨県甲府に生まれ、と書いてあった。明治26年ならもう山梨県だろう・・・。続いて、父の生家は駿府(現・静岡県)で茶商を営んでいたが、とあるが、それだって・・・。
 あと佐佐木信綱本居宣長の子孫だともあるのだが、初耳だ。
 それと、戦時下に『赤毛のアン』を訳していて、こんな敵国の文学をやっていることがばれたらどんな咎めを受けるか、とあるのだが、実際には戦時下でも英米の小説とか研究はちゃんと出ているんだよね。社会主義思想の本を訳していたら治安維持法に引っかかるが、『赤毛のアン』を訳していて警察に引っ張られるなんてことは、まあないだろう。
 (小谷野敦