前に、悪役はなぜ意味なく笑うのか、と問うて、未だ明確な答えは出ていないが、まあ時代劇だろう。ところでウルトラセブン第四話「マックス号応答せよ」のゴドラ星人は実によく笑う。西洋風女やフルハシやダンに化けつつ、正体を現す時は笑いながらゴドラ星人に戻る。「ウルトラマン」に、こんなに笑う異星人がいたかしら。バルタン星人は笑うが、あれは星人独特の笑いだからちょっと感触が違う。
エレキングとメトロン星人の間に挟まってあまり論じられないゴドラ星人だが、「マックス号」は特異な回だ。まだ第四回なのに、等身大のウルトラセブンがまるで古くからの知り合いのようにウルトラ警備隊に溶け込んでいて、隊長やアンヌと言葉を交わす。そして、何と言ってもゴドラ星人(の一人)がダンの姿のままポインターに乗って逃げ出すシーンから流れる、ウルトラセブンの没主題歌のカラオケ。これが素晴らしい。この音楽はのちに間奏部をゾフィーのライトモティーフに使われることになるのだが、それにしてもダンに化けていたゴドラ星人は頭にアイスラッガーの直撃を食らっているのに何ともない。そのくせ最後はエメリウム光線であっさり爆破。