たわわ

 最近は見かけなくなったが、ひところ、『週刊プレイボーイ』あたりのヌードグラビアには、巨乳をさして「たわわ」という表現がよく使われていた。
 「たわわ」というのは、果実などが豊かに稔って枝がたわんでいるさまを示す語で「枝もたわわに」と使うのだが、いつしか語源が忘れられて、果実そのものが大きく稔るのを「たわわ」というのだと思われている節がある。

 うちの近所のブックオフは、『現代思想』は買い取るが『ユリイカ』は買い取らない。どうやら「文藝雑誌」は買い取らない方針らしい。だからうちでは「古川日出男特集」などはゴミと化す。それにしても金田淳子の『やおい原論』(仮)は毎号新刊予定に入っているが、いつ出るのだ。なんだか毎年のように、「来年は博士論文を書く」と言いつつ14年間にわたって書いていない(その後書いたことが分かった)教授のようだ。

 『一冊の本』九月号で橋本治が、『源氏物語』は女の論理で書かれているから男には読みづらい、と書いていた。私は全然そう感じなかったがなあ。『赤毛のアン』については斎藤美奈子がそういうことを言っていたが、そう十把一からげに「男は」とやってほしくない。

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