半分くらい読んだ。三流大学の大学院で博士号をとっても就職がないという話。ただし著者は九大で博士号をとっているから三流ではない。東大で博士号をとってすらないんだから、そりゃあるわけがない。
しかし、東大の仏文あたりで大学院へ行きたいなどと言えば、「将来がないから」と言って教員が止めるものだが、三流大学では定員を満たすために引き込む、という話は初めて聞いた。
あとこういうのもある。たとえば日本女子大を出て東大の大学院へ来た人が、日本女子大で採用されるという話。著者は、まるで東大を出て東大院へ行くのが最も有利であるかのように言うが、そういう事例もある。東大で採用されるのは難しいから、そういう事例を見ると、下手に学部が東大であるために損している人がいる、と感じる(もちろん、優秀であれば、の話。東大では採用されなくても母校で採用される)。ただし、私がいた阪大の言語文化研究科で、そこの院修了者を採用する話が出た時、「それは何か違和感がある」と言った人がいてなしになった例もある。
もっとも、三流大学の博士論文ってどんなのか、見てみたい気もする。刊行されたものとして、専修大学のやおい論があったが、まあ、よく頑張りました、という感じではあった。文教大学の国文科大学院の研究題目一覧がネット上にあったが、まともなのは一人だけで、あとはまあ…。
著者は書いていないが、将来的に、大学院などいらないような大学の院は潰れるとして、今すぐにできる解決策は、業績のない教授をクビにすることだわな。定職につけない博士もたくさんいるが、業績のない教授もたくさんいる。それが現実的でないとすれば、
専任のある者の非常勤アルバイトを禁止する
というのが、いちばん有効な策である。文科省もその規則なら喜んで認めるだろうが、専任どもが反対するだろうからムリだろうが、実際、非常勤を週10コマくらいやれば、月収30万くらいにはなるはずで、専任として稼いでいる上に非常勤の口までぶんどろうなんて、ふとい話だ。家買ったりして、ローンがあるとか言ってガシガシ稼いでね。専任になれない学者は家どころじゃないのにね。けっ。