フィルムとヴィデオ

 映像作品を、フィルムに録るのとヴィデオに録るのと、二つ方式があるのに気づいていない人がいる。普通に考えれば、映画はフィルムである。ヴィデオはフィルムとは全然違う。だが、テレビ番組を観ていて、時代劇などの色調と、NHKのドラマの色調が違うことに何となく気づいていた私は、高校三年のころ新聞で「時代劇としては珍しくビデオ撮りで」と書いてあるのを見て、あっ、そういうことか、と理解したものだ。
 大学へ入った頃、同クラスの女子でそれに気づいていない子に説明したことがあるが、先日、東大の院生で知らない女子がいた。もっともこの子は、ほとんどテレビを観ないそうである。
 テレビで放送されても、映画とヴァラエティ番組とでは、色調が違っていても気づかないが、ドラマとなると気づく。大河ドラマは、時代ものでもヴィデオ録りだが、そうなったのはいつごろからだろう。あるいは、民放の刑事ものなどでもフィルムを使うことがある。確か「水戸黄門」は、石坂浩二がやった時にヴィデオ撮りになっていたような気がする。
 まあ、そんな違いに気づかずに一生を終える人もいるだろうが・・・。