助教授→准教授

 つい先日まで知らなかったのだが、四月から全国的に助教授が准教授になった。まるで意味が分からない。
http://www.waseda.jp/jp/journal/pdf/0608_02.pdf
 文部科学省の説明では、「助」というのが教授を助けるという意味なので、不適切であり世界的にも例がないと言いつつ、assistant professorになってしまう、と言っている。そう、米国ではassociate professorの下がassistant professorで、私の周囲では、「専任講師」をassistant professorとしていたりした。だから、准教授、助教授に分けるというなら、米国に合わせるという意味だと分かるのだが、助教授を全員准教授にすることに何の意味があるのであろうか。
 教授がこき使う、というようなことは、名称のいかんにかかわらず、単純に教授の人格の問題であって、一般的に「助」教授だからといって、教授の手伝いをするのが本務であるなどと思っている人はいないだろう。
 実に木っ端役人の考えることというのは意味不明である。それなら、大学を変わる時のおかしな制度である「割愛」を禁止したほうがよほどいいと思う。
小谷野敦