2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1262079657 太宰治の「緒方氏を殺した者」の「緒方氏」が誰だか分からなくて訊いたら答えるほうも分からなかったという「知恵遅れ」の本領発揮である。 「僕は、はじめ尾形亀之助を考えました。し…

栗原康の伊藤野枝の本が売れているらしい。私は伊藤野枝が好きなので、野枝の伝記が広く読まれるのは歓迎である。まあ破天荒な文章だが、著者は経済的基盤はよくなさそうなので売れてよいことだ。しかし岩波でよく「白痴」を認めたものだ。シナはダメだが白…

斎藤美奈子は『趣味は読書』(2003)で、普段から本を読んでいる人などというのは、国民のごく少数派なのだと書いていて、私は目ウロコで、それ以来、百万部売れても日本人全体の一パーセントだと言い続けている。 ところがその斎藤が『週刊朝日』で柄谷の『…

一か月ほど前に届いたシンポジウム記録『ポストモダンを超えて』のあとがきで、編者の三浦雅士は、チョムスキーについて、ヒト誕生から十万年で言語の獲得などという進化論的突然変異が起こるのはおかしいと書いていて、むしろマイケル・トマセロらの仮説の…

ツイッターでどこかの学者らしい人が書いていた、子供向け伝記なのに野口英世の濫費を描いたものというのは、福和すみえ『この人を見よ!歴史をつくった人びと伝 野口英世』(ポプラ社、2009)であろう。なお表紙の著者は「プロジェクト新・偉人伝」で、福和…

明治書院の『昭和文学年表』全七巻はすばらしいもので、昭和期の文藝の総覧になっている。文藝誌はもちろん、新聞からも拾ってあって、『婦人公論』など漏れもあるが、日本近代文学に関心のある人は座右に置くべきものだ。 ところが、刊行当時、売れないのを…

道路交通法の穴

近所の中学校は図書館の隣にあるのだが、下校する中学生がそこから踏切まで、左側通行をしているので、中学校に電話をかけた。その反対側には大きな団地式マンションがあり、そのわきに歩道がある。 ところが中学校では、警察で、そこはいいと言われたと言う…

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20160302 教えてくれる人があって知ったのだが、ここに出てくる井上美奈子という人は、 茅辺かのう 1924年-2007年3月 || カヤベ, カノウ 本名・井上美奈子。京都市出身。東京女子大学英文科卒。 という人らしく、以下著書…

『別冊宝島 現代文学で遊ぶ本』(1990)で武藤康史が「大西巨人は老いたか?」という奇妙な文章を書いている。武藤は当時33歳くらいか。映画好きで保守派な感じの文章で知られていたから、大西巨人なんか読んでいるのが意外だったが、パーティで初老の人物か…

オカルト井上忠

http://www.nanfes.jp/turezuremushi/15.html 松浦寿輝が井上忠の授業について語っている。私も一年の時いのちゅうの授業を受けたが、買わされた『哲学の現場』は五千円くらいした上に何を言っているのか分からなかった。松浦の文章を見て、あの人は…と思い…

宮木あや子『校閲ガール』

宮木あや子の『校閲ガール』がやたら面白かった。もっとも最初の『花宵道中』は私の嫌いなおいらんものだからダメ。 ヒロインがキュートで、私の知らないブランドや食べ物の名前がバンバン出てくる。そういうものとの距離の取り方がまた絶妙だし、文章が異様…