2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ヨイ豊

梶よう子の直木賞候補作『ヨイ豊』を読んだ。この題名は、主人公の一人、清太郎が、明治になって四代目歌川豊国を襲名するが、明治12年ころ、脳卒中か何かで右腕が動かなくなり、「ヨイヨイの豊国」と呼ばれたというところから来ているが、これが史実かどう…

三月一日である。花粉のためにみなぼうっとしているらしい。郵便局へ行って郵便を出したら,女の局員が「205円です」と言うから、「あと80円切手五枚」と言うと、「615円です」と言うから、1115円出したら、またごそごそやっている。この郵便局では「機械が変…

里見とんが「小説の小さん」と呼ばれたのは、志賀直哉が、悪口として、「小説家の小せん」になると言ったのが訛伝したのではないかと『里見とん伝』に書き、宇野浩二が1956年に「志賀直哉が「小説の小さん」」と書いたのをあげておいたが、『本の雑誌』三月…

1986年ころの「コサキン」では、宝生桜子(のち秋乃桜子)のヌード写真が時おり話題にのぼった。美しい少女で、今なら児ポ。ある時、佐野量子がゲストで来て、コサキンが桜子写真集を見て騒いだあと、小堺が「量子ちゃん、宝生桜子ちゃんて知ってる?」と言…

都合の悪いこと

小保方さんに対して、「都合の悪いことは書かない」などと言っている人がいるが、それはことがらが警察に関与していたら捜査が済むまでは書けず、またことがらが死んだ笹井良樹に関わってきたらそれも書けまい。 対してヨコタ村上孝之は、自身のウェブサイト…

凍雲篩雪(二月)

岩波文庫では「作」と「著」を区別していることは、気づいていない人も多いだろう。小説や詩歌なら「伊藤左千夫作」で、評論や学問なら「和辻哲郎著」になっている。同じ夏目漱石でも、小説は「作」で、『文学評論』は「著」である。『硝子戸の中』も「著」…

おおっ、松岡正剛、72歳の誕生日にワグナーを語る。 http://1000ya.isis.ne.jp/1600.html 「4日4晩の大作『ニーベルングの指環』」普通は序幕と三日だが。 「ピーカン(青空の晴天)」晴天は普通青空だが・・・。 「死者を逆なでする軽率な発言」やっぱり死者…

http://blog.goo.ne.jp/motosuke_t/e/5205084910b486e7d803e11282b971dd なんだかよく分からない。このブログ主は武田元介という人らしいが、 http://motosuke.net/ 「難波先生より」とあるのは難波紘二が書いているということか? 「英文学者で文芸評論家の…

小畑峰太郎とは誰ぞ

『新潮45』の3月号に、小畑峰太郎が小保方晴子を罵倒する記事を書いている。「味噌汁で顔を洗って出直してこい」というえらい下品なシロモノだ。 はてな? 小畑といえば、『STAP細胞に群がった悪いヤツら』という、同誌に連載したものをまとめた著作を出して…

文学的被害妄想

川口則弘さんから新刊『ワタクシ、直木賞のオタクです。』(バジリコ)が届いた。 すでにブログに書いたもの、と聞いてはいたが、やはり読んでないものもあり、読んでいると、有馬頼義の、直木賞をとったあと一年近く注文がなくて苦しんだ、という述懐が間違…

小谷野賞

2015年度小谷野賞 ・飯田章『破垣』(やれがき)幻戯書房 ・島本理生『夏の裁断』文藝春秋 発掘特別賞 ・ふくださち『百色メガネ』河出書房新社、1980年(文藝賞受賞作)

幸田露伴の『運命』は、元ネタを読み下しただけだという高島俊男先生の批判に、福田和也が反論していた。 福田「露伴は、あれだけ中国の文献を読んでいるけど、図書館みたいなものだという。つまり並んでいるだけで、解釈も意味づけもされていないということ…

かわいそうな司馬遼太郎

ネット上に司馬遼太郎の作品書誌がないので作ろうと思い、以前作成したものを補うため、『司馬遼太郎全作品大事典』(新人物往来社、2010)を借りてきたら、初出は書いてあるのに単行本の刊行年月がないものがある。巻末に作品年譜があるのだが、それにも『…

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20160204 「軍師官兵衛」では顕如は眞島秀和(38)が演じていた。 「信長 king of Jipang」では伊藤富美也(32) 「国盗り物語」では伊藤孝雄(38) 「太閤記」では伊井友三郎(66)なので、この当時はまだ老人と思われて…

司馬にも筆の誤り

司馬遼太郎の初期短編「最後の船鉄砲」を読んでいたら、「顕如上人のような皺ばんだ老人をまもる戦さには情熱はもてなかったが」とあってわが目を疑った。これは別所長治の三木城での戦いに参加した雑賀市兵衛という多分架空の男が主人公だが、当時の本願寺…

ある誤植

本谷の芥川賞『異類婚姻譚』のアマゾンレビューで、私と「おだいそぐ」という人が低い評価をしたあとで、いくらか高い評価をした「匿名希望」がいて、そこに「を奇禍として」とあった。「おだいそぐ」はコメントをつけて「誤字ですよ」とした。すると「匿名…