「長くつ下のピッピ」の思い出

大学生の時、私は「児童文学を読む会」で、夏になると合宿へ行っていたが、あれは二年生の時だったか、合宿での読書会で「長くつ下のピッピ」が取り上げられた。四年生の男子でのちNHKへ入ったKさんや、そのKさんとのち結婚したGさんもいた。

 私と同期のIが、課題「長くつ下のピッピ」について、大人社会への批判が浅薄にしか描かれていない、と言い出した。私は意味は分かったが、まあそれを言ってもしょうがないだろうと思っていたら、Iはわいわい攻撃を受けて、後ろを向いていじけてしまった。Kさんがその姿を見て「なんか不気味なんだもん」と笑っていたが、読書会が終わるころ、Iはこちらを向いて、反駁を始めた。

 ところでIはアニメファンでもあり、アニメ研に入って「ナウシカ論」なんか書いており、高畑勲を尊敬していた。のちに高畑さんらが「ピッピ」をやる予定だったことが分かったが、あの時Iはどう思ったであろうか。