昔キャバレーへ行った時、「あっ、トルストイって聞いたことある。外国の人だよね?」と言ったホステスであるが、村上春樹は? と訊いたら、『ノルウェイの森』を読んでみたけどわけが分からなかった、と言う。で、どんな小説なら好きなのかなと訊いたら、まあ小説ではないのだが、こないだテレビで観た、病気の子供を助けるためのなんたらかんたらの感動ものが良かった、と言っていて、私はなるほど、知の階層というのはこうなっているのかと理解した。つまり、村上春樹=亜インテリで、大衆は「感動もの」なのである。

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私の後輩で民博准教授の山中由里子さんの祖父(たぶん母方)は遠藤宏という音楽学者である。
遠藤宏(1894年3月20日−1963年2月2日)
 横浜生まれ。1921年東京帝大文学部美学美術史学科卒。大学院で音楽美学を専攻。東大講師、東京音楽学校教授、北大教授、北海道学芸大学(のち北海道教育大学)音楽科主任教授。

  • 著書

「明治音楽史考」有朋堂,1948
滝廉太郎の生涯と作品」音楽之友社,1950.音楽文庫

  • 解説 

「ベートヴエンと彼の交響曲 1至5」ヂヨーヂ・グローヴ 岩波書店音楽叢書 1925
「Bibliography of Oriental and Primitive Music」(編)The Nanki Music Library 1929.5
「第一交響曲ハ長調ベートーヴェン 解説.音樂之友社,1949.3.
交響曲」ベートーベン 作曲.音楽之友社,1953.

 山中さんは1966年生まれで一番上だったはずだから、お母さんは下のほうの子供かもしれない。