新人とは何か。

 『文學界』の「新人小説月評」の欄がリニューアルした。評者はこれまで半年交代だったのが一年交代になり、清水良典と田中弥生がやっているので、もしかすると今後、大物と新人批評家の組み合わせになるのだろうか。
 さらに対象作品が拡充された。清水によると、「デビューして十年以内」「芥川賞をまだとっていない」のいずれかに該当したら対象とするという。これまでは後者だけが対象だったため、モブ・ノリオとか青山七恵など早々と対象から外れていたわけだが、今後は西村賢太や青山も対象になることになる。鹿島田真希は入らない。
 しかし、こう明記されてしまうと、それなら村上春樹橋本治辻井喬津島佑子島田雅彦なども対象になるということになってしまうのである。まあ、それは以前からの問題なのだが、仮に片山恭一とか村上政彦が文芸雑誌に短編を載せたらどうなるのだろう。短編でなく、長篇一挙掲載でも、新人なら対象になる。

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Wikipedia片岡鉄兵の項目を見たら、息子に片岡鉄哉、とあった。1933年栃木県生まれ、2007年没の政治学者である。しかし、鉄兵は1930年に検挙され未決拘留、居住制限で西宮に転居、31年5月に大阪で懲役二年半となり保釈を取り消されて未決拘留、控訴、上告するが確定して32年4月に大阪刑務所に下獄し、転向声明を出し、33年10月に刑期を残して出獄している。年譜にも、娘の藍子が生まれたことは記してあるが、息子のことは書いていない。ぎりぎり、下獄前に着床していれば33年に生まれることは可能だが、なんで栃木で生まれるのだろう。いったいこれは何が根拠となっているのであろうか。 
追記)『日本永久占領』の著者プロフィールを見ても、『現代日本人名録』2002を見ても、鉄兵の子とは書いてなかった。おそらくウィキペディア発のデマだろう。
http://amesei.exblog.jp/6939581/ 
 ここで記されたのをもとにウィキペディアに書き込まれたようだ。