山田さま

 なぜ山田氏の立項だと思ったかといえば、写真が掲載されていたからです。なお誤字が多いようですが、落ち着いてお書きください。私は内容証明を出そうかと思ったのに、最初からそれはいかがかと思って簡易書留にしたのですし、現状で山田様を東京簡易裁判所へ提訴するには材料が足りません。(まあ、既に私が著作権を侵害したとか、嫌がらせのために「特筆性」タグを張ったとか、名誉毀損的なことは書かれているわけですがね)
 私がウィキペディアで相手をしているのは、クレームをつけてきた匿名の者であり、他人に匿名でクレームをつけることは非礼であると考えています(これは社会常識です)。従って、そういう者には人間扱いをしません。私はかねてより日本のネットが匿名が多いことを批判してきた。しかし奴らはそれを決して聞き入れないのだから、それは争闘となるほかない。山田氏は匿名についてどうお考えか。もし匿名で他人を批判、ないしクレームなどつけてもいいとお考えなら、その旨論文を書いていただきたい。
 法的問題が生じないように努力しているようには、私にはいっこう見えない。また海外のウィキメディア財団を訴えるというのは、とうてい一個人に可能なことではない。私はこれまで、永久ブロックされるような行為をしたとは思っていない。そもそも今回の阿部正路一件についても、私は中途でブロックされ、議論に参加させてもらえないまま、あなたは私の質問(判例はあるか)に答えないまま、削除されている。これに良心の痛みを感じないというのであれば、あなたの公正さに疑念を感じるほかない。またウィキペディア日本語版とあなたが言うものは、メールを送ると返事が来るのであるから、その返事をした者が責任者であり、その者は実名を明示すべきである。
 なお「ブログから商業雑誌まで」とあるが、ブログは誰でもやれるものであり、ここで私を主語として記す特段の理由はない。
 「ルール」と言われるが、議論をするのがウィキペディアのルールではないのか。「特筆性」タグをはがした者は、議論もなしにはがしたわけで、自己申告によると18歳のようだが、この「無断タグはがし」はブロック対象にならないのか。こういうのは愚民というより少年ギャングではないのか。
 「立ち去ればよい」と言われるが、私にもいくばくかの公共性への関心というものはあり、芥川賞の選考委員が、「メタフィクション」をウィキペディアで調べたと選評で書き、書籍の校正者がウィキペディアのコピーを送ってきて、しかもそれが間違っていたりする現状ではそうも行かない。私は、単なる事実の羅列は著作権法が保護する著作物ではない、ということは何度も言ってきている。しかるに啓蒙は行われないのみか、まったく私の言うことを理解せず、著作権侵害だと騒ぎたてる者がいる始末である。「きちんと議論をする」ということのできない者らから、ルールを守れと言われてもあほらしいとしか言いようがない。それでもなおかつ、良心の痛みは感じませんか。
 なお無期限ブロックされているアカウントで書くなどというのも腹立たしいし、ここに書いた文は紛れもない私のブログに転載しておくので、どうぞご確認ください。
小谷野敦