牧野陽子さんの受賞を祝う。

 比較文学の先輩である牧野陽子さんが角川源義賞文学部門を受賞した。これは二冊目の著作で牧野さんの博士論文でもある、ラフカディオ・ハーン論である。牧野さんとは、もしかしたら大勢のパーティなどで一緒だったことがあるかもしれないのだが、ちゃんとお目にかかったことはない。若くして成城大経済学部に勤務して今教授だから、苦労人というわけではない。私が大学院へ入ったころは、雑誌『新青年』についての論文を『比較文學研究』に載せていた。
 私はラフカディオ・ハーン研究を批判している。しかしそんな私にも牧野さんは穏やかなお便りを下さったから、負けたと思った。人柄に負けたのである。しかも美人である。これはもう、ええいちくしょうと、お祝いするしかないではないか。もっとも受賞式は、××先生が来るだろうから怖くて行けません。

http://www.seijo.ac.jp/information/15/003412.html