「新しい歴史教科書」というのは、家永三郎系で以前にあったのだよな。まあそれで例の「新しい歴史教科書をつくる会」発足の時、『論座』が、賛同者の数人にインタビューしていて、大月隆寛が途中で怒ったのは有名な話だが、これは一問一答形式ではなくて談話まとめ記事だった。中に岸田秀がいて、「これが政治的な団体なら加わりませんよ。そうじゃないんでしょう?」と言っていて、あとで考えたら、インタビュアーは「そうですよ」と言ったのだろうか言わなかったのだろうかと気になったことであった。
東大名誉教授というような人たちが、こないだ私の藤原書店相手の期日の日に、安倍晋三を総理にしろとかいう声明を出していたそうだが、下らん。これも政治的な運動である。さるにても、東大名誉教授ともあろうものが、成蹊大卒の男を総理にしろと言うなどとは、秩序も乱れたもので、世が世なら、そんな聞いたこともない私大卒のやつになぞ国政が任せられるかと言うべきところである。なんだか日露戦争の時の戸水寛人ら帝大七博士みたいで、伊藤博文は「学のあるバカほど困ったものはない」と言ったそうな。