ヨコタ村上『金髪神話の研究』、私は読んでいないが、アマゾンレビューより。

例えば、第十三章「ロシアのブロンド女たち」の書き出しは以下の通りです。
 「今日の日本人(男性)にとっての『金髪女性』は、まず誰よりもロシアン・パブで働くロシア人女性のことかもしれない。」(171頁)
 さらに著者は「どこの盛り場でも見られるようになった『金髪』ロシア人ホステスが、今日における日本人の、金髪白人女性像の典型を生みだしてきたのだとすれば…」(182頁)と筆を進めます。これは牽強付会のそしりを免れないと思います。ロシアン・パブに足を踏み入れたことがある読者がどれほどいるというのでしょう。
 著者は1994年の雑誌「FLASH」の記事に首都圏に約300人のロシア人ダンサーがいるとあることを手掛かりにしていますが、首都圏にいる300人のロシア人ダンサーと一般の日本人男性とが接する機会など、たかが知れています。現在の日本人の金髪白人女性像を形づくっているのはやはり多くの人が見る銀幕の中の女優たちだと考えるほうが自然でしょう。

 ホントーに、こういう思いこみが激しいのだよなあ、この人は。
 まあ、ことのついでに言っておくが、私が『日本文化論のインチキ』で佐伯さんの『愛と性の文化史』について、おかしなところは直されている、と書いたのに対して、直っていない、と指摘するブログがあったが、私はあの本はちゃんと読んでいない。なぜなら、ちゃんと読んだらまた批判しなければならなくなるかもしれないからである。案の定そうだったようで、世の中には、批判したくないからあえて読まない、ということもあるのである。