デヴィッド・ロッジを読まないわけ

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連載最終回です。

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 デヴィッド・ロッジという英国の作家、英文学者がいる。大学内部をコミカルかつ風刺的に描いた小説で知られる。私は学部生時代に『交換教授』を読んで面白かったが、そう言ったら嫌な顔をした人がいた。
 だが、その後遠ざかった。私の小説も、大学内部を描くことが多いので、ロッジがどうこうと言われることがあって、『小さな世界』を読み始めたのだが、すぐやめてしまった。ロッジの小説が読めないのは、そこには必ず「テニュア」が出てくるからである。英米では、大学の教員になったからといって、定年まで安泰というわけではない。だから、ロッジを読んでいると、30くらいで専任になると、あと碌な業績がなくても教授になって定年までいられる日本の大学が不愉快になって、読めないのである。
 あとバイアットの『抱擁』も、映画を観てから飛ばし読みしたが、出てくる人がやたらと博識なのに驚いた。日本の大学でも学会でも、こんなに人々は博識ではない。だから全体に嘘臭く感じたのだが、UBCあたりの教授も大したことはなかった。

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澤井繁男のこの間の新刊をアマゾンで酷評している人の他のレビューを見てこれはただもんではないと思う。私の本へのレビューもこのくらい具体的にやってくれるといいんだがねえ・・・って標的にされても困るが。
 で、これは「あいつ」ではないかと思っていたのだが、その「あいつ」が「ゲオルグジンメル」と書いているのを発見して、違う、と思った。何しろそのレビュアーなら「ゲオルク」と書くはずだから。しかしベルグソンではないベルクソンだとか、ゲオルグではないゲオルクだとか言うと、ちょいと器の小ささが窺われてしまうね。え、俺も時々そうだって。

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私はとうてい、守秘義務がついてくる職業にはつけない。だから「良心的裁判員拒否」というのを考えている。「常に真実を語るという信念を持っているので、秘密を守ることはできない」と。

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私は昔、「B29」というのは「ボーイング29」のことで、それがだんだん進化して727とか747になったのかと思っていた。