あるパアテエ

 先日、某文学賞の受賞式に行ってきた。行く気はなかったのだが、選考委員の某氏が私に会いたがっているというので行ったのだ。始まる前に某氏と話して、いざ始まると某氏も編集者も中央のほうへ行ってしまい、私は喫煙できる後ろの方にいたのだが、全然知っている顔がいないので、すぐ帰ってきてしまった。
 知っている顔がいないというのは、面識のある人がいないという意味ではなくて、写真などで知っているような文学者もいない、ということである。むろん選考委員はいたがそれは中央の方にいたようだ。あとで聞いたら、その賞と関係のある某の関係者たちが結構増えてきているらしく、それなら知るはずもない。その関係者たちというのは文学関係者ではなくて、どうもタダ飯が食えるというので来るらしい。この賞はやばい、と思ったことであった。