「フィガロの結婚」のつづき

モーツァルトのオペラで名高い、ボーマルシェの「フィガロの結婚」は、ロッシーニのオペラで知られる「セヴィラの理髪師」の続きだが、実はさらに続きがあって、「罪ある母」(La mere coupable)というのだが、ここでは驚くべきことに、伯爵夫人はケルビーノの子供を妊娠している。
フィガロ」では、ケルビーノの伯爵夫人への恋なるものは、そんなに本格的なものだとは思われていないから、知らない人は驚くだろう。しかも、この「罪ある母」に触れた文章というのが、論文を含めてひどく少ない。
新聞記事横断検索をしたら、北海道新聞に、「罪ある母」に触れた記事があったが、そこに「戯曲のみ」と書いてあった。ところが調べてみたら、これはオペラになっている。作曲はダリウス・ミヨーで、原作通りのタイトルで、リブレットはミヨーの妹のマドレーヌ・ミヨー(『ダリウス・ミヨー 幸福だった私の一生』別宮貞雄訳、音楽之友社)。しかし、CDなどはまるで見つからない。ただ、ヴォーカル・スコアが、国内の大学図書館で二館にある。ぜひ聴いてみたいものである。