松岡正剛加藤百合さんの本を取り上げている。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1218.html
 しかし実はこの後、田中修司という人が西村伊作について博士論文を東大工学研究科に提出して加藤さんがちょっとショックを受けたということがあった。もちろんそれは公刊されているのだが、松岡文の末尾は実は間違っている。
「伊作をめぐる本も少ない。本書のほかには、上坂冬子『伊作とその娘たち』(鎌倉書房)、戸川エマ『一期一会抄』(講談社)、山崎博久『私の文化学院日記』(原書房)、西村クワ『光のなかの少女たち・西村伊作の楽しき住家』(はる書房)あたりだろうか。」
 とある。上坂のものは『愛と反逆の娘たち』として中公文庫になっている。そして最後は、西村クワ『光のなかの少女たち-西村伊作の娘が語る昭和史』(中央公論社)、田中修司『西村伊作の楽しき住家-大正デモクラシーの住い』(はる書房)なのだが、なぜか二冊が一冊にくっついている。間違いを知らせても直さない松岡だから、ここで訂正しておく。

 (小谷野敦