私は1995年8月に東大病院で処方を受けてマイナートランキライザーを呑むようになり、それまでのパニック障害や不安障害が緩和されていったのだが、それより前に群ようこのエッセイで、群が若いころ精神状態が悪くなりマイナートランキライザーを処方されて呑んだら効き目はすばらしかったが、こんなものに頼っていてはいけないと考えて捨ててしまった、というのを読んでいたため、いつまでも呑んでいてはいけないという考えがあり、翌年春に実家へ帰った時に薬を断ったのだが、そのためひどい禁断症状に陥って一か月くらい七転八倒の苦しみであった。四月になって大阪へ帰って再度薬を用いるようになって収まっていったのだが、薬は少しずつやめていくのが正しいので、いきなりやめると大変なことになる。しかし世の中には反薬派の医師というのがいて、薬はすぐ全部やめろなどと無茶なことを書いた本を出していて、決して本気にしてはいけない。