韓国の「高速道路家族」という映画を観た。「パラサイト」と似た設定だがこちらのほうが面白かった。両親に女児、男児の四人家族が高速道路のサービスエリアにテントを張って生活していて、生活費は父親が詐欺師になって、自動車を降りる人に、財布をすられて金がないので二万ウォン貸してくれ、あとで振り込むからと言って借りて作っている。日本なら警察で貸してくれると言うだろうが、韓国でも警察が貸してくれないということはないだろう。
だが詐欺はいつしかばれ、父親は逮捕され、家具店を営む中年婦人が妻と子供たちを同情して家へ引き取るという展開だ。
最後が、実はどうなったのか分からなくて、希望をもたらす結末と、悲劇的な結末と観客は好きなほうを選べるようになっているのかもしれない。
(小谷野敦)